ヘレス・サーキットでMotoGP第4戦スペインGPのスプリントレースが行なわれた。優勝はプラマックのホルヘ・マルティンだった。
スペインGP2日目は午前中が雨となり、MotoGPクラスの予選はウエットコンディションで行なわれた。予選後は天候が回復し、スプリントレース前には路面は一部にウエットパッチは残るものの、ほぼドライコンディションとなった。
■マルケス、ドゥカティへの適応を”完了”「あとは細かい部分に取り組んでいくだけ」
ポールポジションを獲得したのは、マルク・マルケス。グレシーニへ移籍してドゥカティのマシンを操るようになって、わずか4戦で予選トップに立った。2番手はマルコ・ベッツェッキ(VR46)、3番手はマルティンという並びだ。
全12周のスプリントレースは気温19度、路面温度30度でスタート。ライダー達は一様にフロントにミディアム、リヤにソフトタイヤを選択した。
スタートではブラッド・ビンダー(KTM)が素晴らしい加速を見せ、一気にフロントロウの3台をかわして先頭に浮上。マルク・マルケスはマルティンにも先行され、3番手で1周目を終えた。
1周目でビンダーは先頭を維持できず、マルティンがレースをリード。2周目から後続のライダーを引き離そうとしていた。
この動きにはマルク・マルケスも反応。ビンダーを追い抜いて前を追いかけようとするが、バトルになり2番手集団は団子状態に。弟のアレックス・マルケスともポジションを競うことになったが、ここは兄が制した。
ただこのバトルの結果、先頭のマルティンから1秒以上離されてしまった。
また3周目、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がターン1でイン側のビンダーと、アウト側からしかけてきたベッツェッキに挟まれる形となり、ベッツェッキと接触。バニャイヤが転倒してしまい、ここでリタイアとなり彼は力なくピットへ戻った。
弟のアレックスを退けてバトルが落ち着いた後、マルク・マルケスはペースアップ。1.2秒ほど先行するマルティンとの差を削りはじめた。
マルク・マルケスは6周目にレースファステストラップを更新するなど好調な走りで、マルティンに接近。さらに7周目にマルティンがターン7で一瞬バランスを崩したことで一気に近づくと、そのままターン9でオーバーテイクしトップに浮上した。
先頭に立ったマルケスはマルティンに反撃を許さない走りで、ギャップを拡大。コンマ3秒ほどに広げると、その差を維持した。
しかし9周目、マルク・マルケスはターン9でまさかの転倒。スプリントレース初優勝を目前にしながらも、そのチャンスを失ってしまった。
なおその直前、ターン5ではアレックス・マルケス、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、ビンダーの3人が接触などもしていない状態でそれぞれのライダーが連続で転倒。その次の10周目には同じターン5でマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)もクラッシュしてしまうなど、転倒者が続出する異様な状況だった。ただこのとき、オイルを示すフラッグなどは振られていなかった。
ライバルの転倒によって先頭を取り戻したマルティンは、後続との間にある大きなギャップをマネジメントしてフィニッシュ。スプリントレース勝利を飾った。
2位は転倒者続出のレースを生き残ったルーキーのペドロ・アコスタ(GASGAS)。そして3位はラストラップにダニ・ペドロサ(KTM)からプレッシャーをかけられたものの、それを退けたファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)となった。23番グリッドから3位という、稀に見る追い上げでのフィニッシュだった。
なお先頭を走りながらも転倒したマルク・マルケスは、その後レースに復帰。途中、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)と接触があり、1ポジションダウンのペナルティが発生したが、それでも7位まで挽回してフィニッシュ。ポイントを持ち帰ることには成功した。
日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は、ポイントには届かなかったが、荒れたレースを生き残って11位でフィニッシュした。
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